おはようございます、こんにちは、こんばんは。
じおーた(Twitter@JiotaQq8888)です。




ということで、始めていきます。
本日の目次(タップすると飛ぶよ)
医師にとっての資格(専門医除く)
あなたが院長や病院経営者だったら、どんな医師を雇いたいですか?
病院には、医療安全対策、感染対策など病院として対応しなければいけない部分と、栄養指導や人工呼吸管理、リハビリテーションなどスペシャリストがいると加算が取れる部分、若手医師や看護師が資格を取ったりする際に必要となる施設認定の部分があります。
院長や病院経営者からしたら、専門医以外に病院に必要だったり加算がとれるスペシャリストの存在は欠かせないのです。
このような資格は1つだけでも就職、転職に有利ですが、複数の資格を持っている医師は、1人いれば人件費も浮くのでさらに有利になるのです。
結論として、「病院にとって欠かせない対策、診療、教育、加算に関わる資格を持っている医師」を雇いたいと考える院長や病院経営者は多いでしょう。
1つだけ気をつけてほしいのは、資格を持っている医師が必要だから雇ってくれる可能性は高まるけど、やりがいをもって仕事ができたり、自分の希望する部署で仕事できるかは、あなたの実力次第だと思います。
資格の概要・まとめ
まとめ
専門医以外の資格で「病院にとって欠かせない対策、診療、教育、加算に関わる資格」をまとめてみます。
私見も含まれていますので、詳細はご自身で確認をお願いします。
まとめ
- 対策:医療安全管理者、Infection Control Doctorなど
- 診療:認定臨床栄養医、心臓リハビリテーション指導士など
- 教育:プログラム責任者(初期臨床研修)、各種救急コース認定インストラクター・ディレクター、看護師特定行為研修指導者など
- 加算:緩和医療認定医、認定臨床栄養医、Infection Control Doctor、心臓リハビリテーション指導士など
私が保有しているものを太字にしてあります。
次に私が保有していない資格で知っていることをお話します。
以下の内容に関しては厚生労働省や令和2年度診療報酬改定情報をもとに記載しておりますが、必ずご自身でも確認をお願いします。
令和2年度診療報酬改定の概要 厚生労働省保険局医療課より抜粋・作図
医療安全管理者
医療安全管理者は、『各医療機関の管理者から安全管理のために必要な権限の委譲と必要な資源(人材、予算、インフラなど)を付与されて、管理者の指示に基づいて、その業務を行う者』と定義されています。
具体的には、医療事故やヒヤリ・ハット事例の対応や、患者・家族からの相談、苦情の対応などがあります。
僕が務めてきた病院では医療安全管理者の責任者は副院長だったことが多いです。
病院においては絶対欠かせない存在ですし、ある程度の役職じゃないとスタッフも言うことを聞いてくれないとか、指示を出しにくいなどがあるので、副院長以上のポストに就くのではないかと推測しています。
大学病院勤務時代に、安全管理委員会の委員だったことがありますが、医療安全管理者の責任者は気苦労が絶えないだろうなと思いました。
認定臨床栄養医
病院で栄養サポートチーム(Neutrition Support Team: NST)内の中心的役割を果たす存在です。
NSTも条件を満たせば、加算が取れます。
現在の医学ではリハビリテーションの両輪は運動と栄養と考えられおり、栄養は病気から回復する過程で非常に重要な分野です。
今後の発展性も考えると、需要の高い資格と考えますし、自身の診療力upにつながる資格です。
リハビリテーション系の資格
リハビリテーションも条件を満たせば加算が取れます。
代表的な分野・資格に心臓リハビリテーション指導士があります。
病気からの回復に早期かつ的確なリハビリテーションは欠かせません。
私は資格を保有していませんが、腎臓リハビリテーション指導士の資格もあります。
各分野でリハビリテーションの重要性が認識されていて、地味に見えるけど効果の高い治療になります。
認定臨床栄養医と並んで、今後の発展性も考えると、需要の高い資格と考えますし、自身の診療力upにつながる資格です。
緩和医療認定医
現在、日本の死因1位はがん(悪性腫瘍)です。
日本人の2人に1人はがんにかかり、3人に1人はがんで亡くなる時代です。
残念ながら、全員ががんを克服・根治できるわけではありません。
がんの痛みで苦しまないように緩和ケアを必要とする人も増えていくと考えられます。
まだまだ日本の医師は、根治目的の医師が多く、緩和に携わる医師は充足していないと言わざるを得ない現状と推測されます。
がん以外でも、心臓や肺の病気で息苦しいなどの症状にも緩和ケアは有効です。
私が持っている資格
私が持っている資格は教育関係が多いです。
Infection Control Doctor
感染制御の専門的知識を有するエキスパートです。
病院内は、免疫力が弱い患者も多く、感染症が広がりやすい環境ですので、対策を打つ必要があります。
対策・対応をするために院内にInfection Control Teamが設置されるのですが、teamの中心的役割を担う存在です。
いまを騒がす新型コロナウイルス感染症に関しても、院内でアウトブレイクが起こらないよう対策したり、クラスターが発生した際に対応するなど必要不可欠な存在です。
院内感染対策は加算も取れる分野です。
プログラム責任者(初期臨床研修)
初期臨床研修医を受け入れる病院は、医師臨床研修制度に則ってプログラムを提出しなければなりません。
各病院のプログラムの責任者は、プログラム責任者講習会を受講していることが望ましいとされています。
将来は、望ましいではなく、必須である、に書き換えられる可能性もありますので、初期臨床研修医を募集している病院にとって、この資格を保有している医師は喉から手が出るほど欲しい人材になるかもしれません。
2004年の新制度設立以来のデータから初期臨床研修を行った病院で、引き続き専門医研修を行う専攻医(旧 後期研修医)は半数以上と言われております。
したがって、若手の人材を確保する一番の手段は、初期臨床研修医を獲得することになります。
僕は、医師7年目に取得しました。
各種救急コース認定インストラクター・ディレクター
最近は、色々なコースが乱立しておりますが、最も基本となるのは心肺蘇生に関わるコース、ICLSコースです。
一次救命処置(BLS)はすべての医療従事者が実施できることを求められています。
初期臨床研修では、研修医はBLSを指導できること、二次救命処置(ICLS)を実施できることが求められています。
病院の評価や認定でもICLSを医療従事者全員が受けていることなどの基準もあり、ICLSコースの需要は高いです。
需要の高いコースの認定指導者であることは、採用に有利に働きます。
ディレクターとなれば、自身で開催することができますから、さらに有利になります。
僕はICLSのディレクターを医師5年目に取得しました。
看護師特定行為研修指導者
研修を修了した看護師が、通常の看護師の業務を超えた診療を医師の指示のもと実施できるのが特定行為の趣旨です。
特定行為研修では、医師の監督やレポートの添削・確認を要します。
そのため、看護部も就職や院内での発言に対して援護してくれる可能性が高まります。
僕は医師12年目に看護師特定行為指導者研修を受講しました。
資格保有のメリット・デメリット
メリット
まずはメリットについてです。
メリット
- 就職・転職に有利
- 病院が変わっても同じ活動をできる
- 病院は加算が取れ収益が上がる(間接的に賞与が上がるなどあるかもしれません)
- 自分の診療の幅が広がる
- 研修会や会議で全国の同じ資格の医師と繋がる
- 複数保有しているとクビにされにくいし、ヘッドハンティングも夢じゃない
自分の体験も考慮すると上述6つのメリットが挙げられました。

デメリット
これは圧倒的な1つがあります。
それは、「仕事が忙しくなり、自分の時間が減る」ことです。

もちろん、資格を取得するための時間や費用は必要になりますが、必要なことでデメリットではないと思います。
資格取得の私見
「専門医と今回記述した資格、どちらを優先しますか?」と聞かれたら、『専門医』と答えます。
優先すべきは専門医ですが、資格取得には研修の期間が必要になります。
専門医取得後、速やかに上述の資格を取得できるように準備しておくことをおすすめします。
専門医を取得してから研修を始めると資格取得までにかなりの年月を要してしまいますので。

まとめ
本日お話した内容は以下の3つです。
- 院長や病院経営者が雇いたい医師とは?
- 専門医以外の資格の概要やまとめ
- 資格を保有するメリット・デメリット
以上になります。
では。