この記事が参考になる人
- 初期臨床研修先の病院がなかなか決めきれない医学生
- 2,3までは絞れたけど、どの病院も決め手に欠けると思っている医学生
- 病院見学のときに何をポイントに見ていいかわからない医学生
おはようございます、こんにちは、こんばんは。
じおーた(Twitter@JiotaQq8888)です。







今日は、初期臨床研修を行う病院の選択に関してお話します。
良い点ばかりに注目していると、いざ働き始めてから致命的な欠点がわかって耐えられないなんてことになりかねないので、
2年を待たずに病院を変わりたいなんて思わないようにするコツ2つを書いていきます。
失敗しないコツ2つ
- 自分が我慢できないほどの悪い点がないか確認する
- 「指導医がいいからという理由で決めて、いざ研修が始まったらその指導医が異動していた」に気をつけろ!
ということで、始めます。
本日の目次(タップすると飛ぶよ)
なぜ悪い点に注目するのか?
大半の医学生は良い点しか見ていない
ほとんどの医学生は自分の進路や価値観を踏まえて初期臨床研修の病院を探しているでしょう。
これが前提だとすると「この病院で初期研修したら、2年後にはこの分野は学べるな」とか
「QOLも自分にとって魅力的だな」と考えますよね。
病院側も、研修医を定員まで獲得したいので、良い点は非常にアピールしてきます。
希望に満ち溢れた状態で、新たなことを始めるとき、人は利益が最大限になることを夢見ます。
断言できますが、素人が投資を始めると、中級者以上は想定しない利回りを夢見るのと同じですね。
利益と損失が同額でも感じ方は同じじゃない
『100万円儲かった』と『100万円損した』では、喜びと悲しみの感じ方は同じ程度でしょうか?
答えはNoです。
100万円損した悲しみのほうが、100万円儲けた喜びよりも大きいのです。
これは行動経済学で「プロスペクト理論」あるいは「損失回避」という考え方で説明されている事実です。
我慢できないほどの悪い点は1つあれば地獄
なぜ悪い点に注目するのか?に対する結論です。
我慢できないほどの悪い点は1つあれば、2年間の初期臨床研修が地獄絵図です。
ただでさえ、初期研修医は、他の職種の新人と比較してもうつ傾向、うつ病になる割合が数倍高いのです。
2年は長いようで短く、短いようで長いです。
そして、新社会人として、医師1年目として、医師人生で最も成長できる日々を
我慢できないほどの悪い点に耐えながら過ごすのは絶対に避けなければなりません。
マッチングは恋愛や結婚と似ている
私は、初期臨床研修のマッチング制度は恋愛と結婚に似ていると思っています。
付き合い始めのカップルは相思相愛なので、お互いの良い点ばかりを見つめています。

その後、付き合いが長くなるにつれて徐々に悪い点が見えるようになってきます。
この悪い点がお互いにとって我慢できないほどの悪い点でなければ、別れることにはならないでしょう。
しかし、良い点ばかりしか見ていないのに結婚して、その後に悪い点が発覚、しかもその悪い点が致命的に我慢できないとしたら?
離婚となります。

悪い点がすぐに改善してくれるパートナーなら最高なのですが、あなたの相手は病院です。
病院という巨大組織が改善するまでに時間もかかります。
というわけで、病院とあなたがうまくやっていくには、悪い点も許容できるかどうかに尽きるのです。
ロールモデルとなる指導医がいることを病院選定の1番の理由にしてはいけない
医師に異動はつきものです。
医局人事、留学、私的理由による転職・転勤もあります。
「この指導医に指導してもらいたい!」を1番の理由にしてもらうと、その指導医がいなくなったときに
自分にとって一番良い点だったことが失われます。
これは、上述のプロスペクト理論に基づけば、1番の良い点だっただけにそのショックは計り知れないものとなります。
ただし、「この指導医に指導してもらいたい!」を良い点の1つとして捉えておくのは問題ありません。
1番の理由にするなと言っているのです。
失敗しないための対策
ここからは初期臨床研修の病院選択で失敗しない2つの対策です。
失敗しないための対策
- 初期研修医に悪い点を確認する
- 教育システムを確認する
初期研修医に悪い点を確認する
6年生で見学に行った際は必ず、1年目初期研修医に病院や研修内容の悪い点を確認します。
もし自分がその病院で初期臨床研修をすることになったら、今の1年目初期研修医は1つ上の先輩にあたり
1年後にあなたが通る道をすでに通っているからです。
余裕があれば2年目研修医にも聞けるとなおいいです。
質問はストレートに聞きましょう。
「先輩はこの病院の研修で我慢できないくらい悪いことなかったですか?」
そして、研修医同士の評判も聞いておきましょう。
研修医同士が悪口を言い合うような場合は、研修開始後に人間関係で苦労する可能性が高まります。
教育システムを確認する
教育システムを確認する意味は、自分が成長できそうかどうかを考えるうえで重要だと思います。
その教育システムが、個人の自助に負うているようなシステムの場合、その医師が抜けたときに教育が機能しなくなる可能性を考えてください。
私は、医師は良くも悪くも徒弟制度の職人に近い教育システムだと考えています。
ロールモデルとなる医師を見つけ、追いかけるのが自分の成長に欠かせない部分はありますが、
その医師に自分の成長を賭けるのはリスクが高すぎます。
なので、1人の医師が抜けても質が落ちずに教育してもらえるシステムかどうか、自分の目で確かめましょう。
これを見破る質問は、私には思いつきません(笑)。
まとめ
本日は、初期臨床研修の病院選定に対して、失敗しないための対策についてまとめました。
私自身、大学病院で初期臨床研修を担う役職を4年間経験しましたが、確かなことが1つだけあります。
全ての医学生に万能な対応ができる病院はありません!
自分の成長に合った病院は自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じて見つけるしかないのです。
間違っても、部活の先輩が「あの病院はないわぁ」って言ったから、この病院では研修しないなんて決めつけることのないように。
あなたが研修先の病院を間違えても、部活の先輩はあなたの医師人生に責任を取ってくれません。

マッチングが近づいてきたこの時期だからこそ、この記事を読んでほしいと思います。
では。
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