この記事で解決できる悩み
- 英語論文の読み方がわからない
- 英語論文を読むのにものすごく時間がかかる
- 英語論文を読んだけど結局何が言いたいのかわからない
おはようございます、こんにちは、こんばんは。
じおーた(Twitter@JiotaQq8888)です。






英語論文10編以上を筆頭著者で書いた私が、英語が苦手でも英語論文の内容が把握できる方法をお話します。
1つだけ注意があります。
英語論文をバリバリ読んでいる方や英語論文をすらすらと読める方は、この記事を読まないでください!
我流の方法ですし、すらすら読める方にはこの記事の方法は必要がありません。
人間観察モニタリングのおじいちゃんに扮したメジャーリーガーが草野球で本気で投げるようなものです。
あくまで素人に毛が生えたレベルの人間がなんとか編み出したやり方であることを承知しておいてください。
把握する内容
- Abstractで全体像を把握する
- Introductionではknown,unknownと論文にしたaim(目的)を把握する
- Discussionの第一段落から、今回の論文の知見を把握する
- Discussionの最後から2番目の段落で今回の研究のlimitationを知る
- Conclusionで論文の最終結論を確認する
これぐらいの分量なら5分程度で論文の大まかな内容は把握できると思います!
ということで始めます。
本日の目次(タップすると飛ぶよ)
英語論文には『型』がある
「英語論文のどこに何が書いてあるかわからない」という人は、英語論文に『型』があることをご存知でしょうか?
英語論文にも、こういう内容はどこどこに書く、とか、こういう順番で記載する、などのルールが存在しているのです。
例えば、フレンチのコースを食べに行ったら、普通は突き出し、前菜、スープ、主菜(魚)、口直し、主菜(肉)、デザート、コーヒーと小菓子の順で出てきます。
これが順番めちゃくちゃでいきなりデザートが出て、魚、スープ、口直し、前菜、コーヒーと小菓子、肉ってでてきたらどう思いますか?

って怒りに震えますよ。
同じように論文も書いてあるべきところに書いてある内容がないと怒れる読者が世界中に溢れます。
「ウォーリーを探せ」をしているわけじゃないんです。
「論文のどこに何が書いてあるべきなのか」を知らなかった人は、まず論文の『型』を把握しましょう!
※今回は、論文の『型』に関する詳細は清書に譲ります。
英語論文の『型』で知っておくべき内容
筆頭著者が論文で一番伝えたいこと
筆頭著者が論文で一番伝えたいことは最低この4か所に記載されてます。
一番伝えたいこと
- Abstractの最後
- Introductionの最終段落
- Discussionの第一段落
- Discussionの最終段落
言い回しは変えられているかもしれませんが、この4か所には同じ内容のことが書かれているはずです。
Introductionの構造
Introductionは三段論法が用いられています。
known, unknown, hypothesis or questionの三段論法です。
knownは「すでに知られている」の意味ですから、先行研究ですでに明確になっていることが記載されています。
unknownは「まだ知られていない」の意味ですから、先行研究では明確にされていないことが記載されています。
このunknown(知られていないこと)の中から、known(すでに知られていること)も踏まえて、こんな仮説を立てた(こんな疑問を抱いた)から〇〇〇の研究をしましたよ、とか、×××について明らかにしましたよ、と記載されています。
論文の背景と論文を書くに至った理由や目的が書かれているので、Introductionは読む必要があります。
Discussionの構造
Discussionの構造で押さえてほしいのは第一段落と最後から2番目の段落です。
第一段落には、今回の論文で得られた知見のまとめが記載されています。←絶対抑えるべき内容!
最後から2番目の段落は、研究のlimitation(限界)について記載があります。
limitationは、結果の解釈に重要な影響を及ぼす可能性があります。
例えば、潜在的なバイアス(選択バイアスや交絡因子など)についての記載です。
本当に因果関係としていいか、疑問が残る部分もあるよ、など著者からの提言となっている可能性もあるので、limitationは読んでおきましょう。
general ⇔ specific
Introductionは”genera → specific”、Discussionは" specific → general”です。
イメージとしては、次のFigureです。
Introductionでは、先行研究でgeneralになったことからあなたが考えたspecificなことを研究することを書いてます。
Discussionでは今回の研究で明らかになったspecificなことから、こうこうこういうgeneralなことにつながりますよということが記載されています。
お手本のような論文
PubMedでN Engl J Med. 2021; 384: 2283-2294. PMID 34133859の論文をみてください。
Introductionは3段落で構成されており、known, unknown, aimになっています。
著者が論文で伝えたいメッセージはAbstractの最後、Introductionの最終段落、Discussionの第1段落、最終段落できっちり書かれています。
研究の限界、LimitationについてもちゃんとDiscussionの後ろの方に記載されていますね。
まさに理想的な論文の「型」で書かれてますので、FULL TEXTが入手できる方は確認してみてください!
5分の把握で論文の興味が出たら詳しく読み込もう
簡単な内容把握で「この論文面白い!」とか「この論文にすごく興味が出た」という場合は、Materials & MethodsやResults、残りのDiscussionパートも読みましょう。
Materials & Methods(通称”マテメソ”)には、研究の対象や方法、解析に関して研究が再現できるほど詳細に書いてあります。
ResultsはTable(表)やFigure(図)を使ってわかりやすくまとめられているはずなので、TableやFigureも駆使して読みます。
Disucssionパートの残りには、今回の知見を裏付ける理由が過去のEvidenceや先行研究をもとに記載されています。
自分たちの知見がどれくらい信憑性があるか、や、過去の結果よりも〇〇の点で優れているよ、という点を記載してくれているので、論文の知見をさらに信じるのか、意外にそうでもないかもしれないなと思うのかを判断する材料になります。
英語論文を読むときの知っておくと便利な方法
翻訳サイト
翻訳サイトDeep Lを使います。
「僕(私)は日本人だから英語はちょっと・・・」なんてこと言う医学生はいないと思ってます(笑)
しかし、英語論文も日本語で読めたらなっていう気持ちも理解できます。
ちなみに私は「死んだ平安人とはお話しないから、古文は勉強したくない」ってほざいてました。
PDFで渡されたら
論文をPDFで指導医から渡されたとき、困っていませんか?
これはGoogle chromeがあれば解決します。
Google chromeのトップページを開いた状態で、PDFファイルを左クリックしドラッグします。
そのままgoogle chromeのページ上までドラッグしたまま持っていき、ペーストすると、あら不思議、PDFファイルがGoogle chrome上で開きます。
Google chrome上で開かれた論文はコピー&ペーストできますので、翻訳サイトを使えるようになります。
まとめ
本日は、英語論文の内容を簡単に把握するために論文の『型』を習得するお話をまとめました。
「収まるべきところに収まるものがある」のが普通です。
この前提が覆されると、読者は困ってしまいますね。
簡単な内容把握で興味が出たら、論文を詳細に読み込んでください。

では。

さいごに:同級生よりできる医師になりたいあなたへ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事に興味があるあなたはきっとできるドクターやできるレジデント(できレジ)になりたいと思っているんじゃないですか?
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